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ルーフライナーの張替え作業

 

高級車と言われるBMWですが年式に関わらずルーフライナーの垂れに悩むオーナーは多いようです。

たけ号も野天の車庫に止めるようになった2年程前から垂れが発生していました、車輌はサンルーフ付きなので主に前にしか乗らない我が家では特に不便を感じないのでずっと放置。

しかしリアに人を乗せるとかなり圧迫感がある事やせっかくの高級車も形無しなので補修を決意。 

   

ディーラーの張替えは高すぎてバカらしいしパーツ発注は何と後期仕様は20万強? 考えられない金額である。

と言う事で内装業者の作業も考えたが友人が以前ドイツ本国の純正生地で補修をしたので同じくDIYで作業する事にしました。

まず取外し作業のために助手席の電動シートを降ろしウェザーストリップの上半分を剥いでしまいます。

   

ルーフにある前後左右の乗降サポートハンドルを外します。 これらのパーツ類はネジを含めて無くさないように一つの箱にまとめるようにして下さい、後で見つからないと大変ですから。

   

フロントのサンバイザーを外しバニティライト・マップランプ・バックミラー等を外していきます。 

各パーツには電装コネクタがあるのでその時に全て外して下さい、一応ショート等の危険を防ぐために本当は各端子を保護したほうがいいです。 バッテリを外してしまうとサンルーフ等の動作に支障があるのでそのままのほうがいいと思います、この時期いきなり雨が降ったりしますからね(ーー; 

   

Bピラーの化粧パネルを外します順番的にはドア下のステップパネルを外してからBピラー下を外し最後に上部化粧パネルとなります。

 

   

もうこの辺までくると後もどり出来なくなります(笑)諦めて前に進みましょう。

   

サンルーフ付き車輌の場合はレールクリップを外す必要があります。

殆どのクリップはマイナスドライバー等でこじれば簡単に外れますがレール部には1箇所だけドライバーが入らないところと、サンルーフ収納部にL型のマイナスドライバーが無いと外せないクリップが5箇所ありますので事前に適合する工具を確認しておいたほうが無難です。

   

レール部の隠れクリップ部分です、ここはレールを外さないと無理です。

   

レールのネジは緩み止めタイプのトルクスネジです。

   

レールが無ければいとも簡単にアクセスできますので同様にこじって外します。

   

サンルーフのスライド駆動はブラシ付きのねじりワイヤーで行っています駆動モーター部から左右に2本パイプが延びていますが1本は反対側のケーブル退避用でモーターを中心にローターを挟んで送り出しをする構造になっています。

   

サンルーフ付き車輌は当然ルーフに大穴が開いている訳ですが見ての通りサンルーフユニットそのものはアルミダイキャスト製で生半可な補強ではありません。 

もちろん錆びる心配もありません。

   

5シリーズのサンルーフで排水ダクトの詰まりから雨漏りをしたという話しを聞いたことがありますが、E32のダクトはご覧の通りかなり太くこれが前後左右4箇所に配置されているのであまり心配は無いようです。

ホースの傷みも見られずよい状態にあります。

   

これはリアウィンドウ上部にあるクリップ部分です、ここは真ん中と左右の3箇所にクリップがあります

横についているのは振動緩衝材で各所に配置されてカタカタ音やキシキシ音が出ないようにしてありますね。

   

面白い事にルーフ側のクリップはスライド式となっており微妙な位置調整が可能です(前期モデルにはスライドは有りませんでした)。

   

ルーフそのものを車外にだすのに結構苦労されるオーナーが多いようですが、助手席を降ろしてしまうとロングモデルはいとも簡単に引き出せます。 たけ号はHi−Lineでリアシートとフロントシート間も結構じゃまなものが多いのですがそれでも問題はありませんでした。

   

ルーフには電装品を装着しやすいようにクリップが各所に付いています、これらを丁寧に外していきます。

後で付け直すときに位置は結構重要ですのでデジカメ等で撮っておいてください。

   

センターのステーはしっかり着いていますが主要なところをこじれば以外と簡単に取れます。 但し1台だけで作業するときは方向を覚えておいてください(笑)。

 

   

布を剥がすと元のスポンジが残っていますので毛足の長いブラシ等で剥がしていきます。 結構べとべとしていてあまり気持ちのいいものではありません。

お手伝いをしているShogunは自車も補修していますが、たけ号のライナーにはスポンジが無いなー?と首をかしげながら作業をしています。

   

突然の悲鳴とともにShogunがこの下地もスポンジだと叫びました(ーー;

上の画像で剥がしたと思っていたのはスポンジではありません、更に鉄ブラシで削るとやっとルーフの下地が見えて来ました。 私のルーフとタイプが違うとShogunが腕組み状態です。

これを剥がすにはやっぱりスクレーパーが必要です。

   

これでも前期型のルーフと比べると比べ物にならない程剥がしやすいそうです。 以前は3人で一晩掛かったそうです。

下地は前期は黄色いパネルだそうで後期はグラスファイバー製に白いパネルになっています。

   

中心部の8割方はごらんの通り手で剥げる程簡単です、この部分はよく乾いておりスポンジ部分が綺麗に剥離します。

日本の気候では十分に乾燥させるのは難しいでしょうがもし可能ならば乾かせば作業が楽ですね。

   

中心部とは異なり周辺部はとてもスクレーパーで剥がせません。 サンダーやドリルに鉄ブラシを付けて集中攻撃です。

これを2−3時間すると何と両手はドリルの振動で毛細血管が破断して手首から先が全て内出血しまるで風疹やはしかに掛かったような状態となりました。 手の甲を触ると針で刺したような傷みが(ーー;あーあ

   

ルーフ裏の画像が無いのですが幾つか補強レールが入っておりその部分は固定ツメが出ています。 ここは無理に力を入れるとベースごと削ってしまいますので程ほどに。

   

ベースだけになった綺麗なルーフ、ここに接着剤を塗っていきます。

ライナーを合わせてみて外寸をとりカットしておきます。

   

使用したライナーの画像です、厚みは1/8インチで約4mm厚。 米国車向けのライナー等はヘッドライナーコムで販売されていますがあちらのは1/4インチで7mm近い厚みがありフィッティングに色々と問題があるようです。

   

使用した接着剤です。 製造時に使われたものと殆ど同じものだとの回答を3Mより頂き指定品を入手。

ライナーの裏にはスポンジが付いているので下手なものを使うと溶けてしまうので注意して下さい。(これは臭いもあまり強く無いそうです、結構臭い有るけど)

   

真ん中から後ろを貼った状態です。 実は以前のパネルを処理したときには素材が違い少しの溶剤で足りたのですが、今回のグラスファイバーベースは接着剤の溶剤が染み込み足りなくなってしまい後ろしか貼れませんでした。

翌朝に○ョイフルホンダに行き近い仕様の接着材を購入し作業を再開。

   

新しい接着剤で作業も進み張り替えも終了です、溶剤は速乾性なので塗って直ぐに貼れます。

10分もすれば穴空けを開始です、必要なポイントに切り目を入れていきます。 ネジ穴は半田コテで焼き切ります、素材は難燃性で燃えないので安心です。

   

穴の部分から剥がれないように返りを残して裏貼りを施します。

   

完成です。 後は隅の返りを貼り付けてカットすれば完了、思った程接着剤の臭いも無く問題は無さそうです。

純正素材は裏スポンジ厚が4mmありこれが独特の感触を与えてくれます、何せそんなものが入っていたことも分からない程劣化してましたから(笑)。 一般の生地を使ってもいいのですが電装ショートによる火災にも燃えない生地はやはり安心です。

装着時は作業に没頭していて撮影を忘れていました。

   
ストレッチ性が高く裏スポンジがある素材なのでこんなカーブの部分も綺麗に処理ができました。
   
リアシートはやっとVIPに相応しい居住空間が確保できました(笑)、身長182の私が乗っても全く圧迫感はありません。 特に後部ルーフ部分は元々画像のように深く掘り込まれているのでこの空間がやっと生き返りました。(^^)
   

やはり真新しい生地は気持ちが良いですね、ABCピラーの生地と若干の色違いがあるので近い内にこれらも張替えをして新車のようにしてしまいましょう。

補修に掛かった費用は生地が直輸入で約1万と接着剤が1缶\1,500-程でしたのでやってみる価値はあるかと思います。 あとの長期耐用試験はやってみないとわかりませんが多分5−6年程度は大丈夫では無いかと(笑)、まー駄目ならまた貼ればいいですか。。。

   

 


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